盲導犬、救助犬、警察犬、麻薬探知犬……犬は、その能力をいかし、様々な分野で活躍しています。
犬にしかできないこと、犬だからこそできることがまだまだたくさんあるのでは? そして、着眼したのが、犬のすぐれた嗅覚を活用するということでした。犬は人間の嗅覚と比べると、1万倍から1億倍ともいわれる、高い嗅覚能力をそなえています。わずかな臭いの違い、かすかに残る臭い、その違いをかぎ分けることができます。被疑者や行方不明者の捜索に活躍しているのも、犬の優れた嗅覚能力に依存しています。
1994年、盲導犬などで活躍するラブラドールレトリバーを育成するなか、いままで出会ったことのなかった天才的な嗅覚を備えた犬に出会いました。この天才犬「マリーン」に出会ったことが、今回のプロジェクトを立ち上げる契機となったのです。
「がん患者には特有の臭いを発生しているのでは」そんな記事をみかけたことがきっかけで、大学病院の医師と連携し、呼気でがんの有無を判定するということを始めてみました。それが、がん探知犬の誕生のきっかけでした。
約8年の訓練を経て、現在、確率はほぼ100%のところまで近づいています。そして、その訓練、研究の成果が、がん患者の呼気に含まれる特有の臭い物質の解明へとすすんできました。
本来の目的は、がんの診断を簡単に、迅速にできる方法を確立することにあります。そのため、犬のすぐれた嗅覚を活用し、呼気にがん患者特有の臭いが含まれていることが証明され、その臭い物質の化学的な分析へとたどり着きました。がん特有の臭い物質をつきとめることができれば、ノーベル賞にも値するといわれています。
一頭の犬と出会い、その能力と可能性を追求し、ねばり強く訓練を続け、そして多くの研究者との連携により、ようやく、その可能性が見えてきました。それは、日本だけでなく、海外にまで広がり、「がん患者特有の臭い物質の同定」への研究が続けられています。
セントシュガーは、株式会社セント. シュガージャパンとして法人設立、がん探知犬の育成を通じて、社会貢献をめざしています。
株式会社セント. シュガージャパン 佐藤悠二